201811/02

本当のスペインを見る旅!一生ものの旅スペインのホテル [海外旅行 スペイン]

時間が経っても色褪せない旅の記憶 ――――

 特別な瞬間もあれば、何気ない景色もある。
目を瞑ると今でも脳裏に鮮明に浮かぶ、その風景。

 旅でそんな思い出ができたら、それが「一生ものの旅」になる。

 

アンダルシアの崖の上のホテル

アルコス・デ・ラ・フロンテーラの丘の広がる白い家々

アルコス・デ・ラ・フロンテーラの丘の広がる白い家々

もう20年近く前の話ですが、スペイン南部のアンダルシア地方を車で旅をしたことがありました。夏は「スペインのフライパン」と呼ばれるような、とんでもなく暑い土地ですが、訪れたのは10月の終わり頃。いい感じに秋風が吹く、旅には一番いい時期でした。

 

予備知識のない旅

マドリッドでレンタカーを借り、冷や汗をかきながら市街地を抜けると、あとは交通量も少ない快適なドライブ。予定では1週間かけて、トレドからコルドバ、セビーリャを回ってグラナダへ向かい、そこからマドリッドに戻る周遊コース。ホテルなど予約せず、着いた街で探すという気ままな旅でした。

インターネットなどない時代、ホテルを自分の足で探して決めるというスタイルは、決して珍しいわけではなく、ガイドブックや町の観光局でもらったリストを手掛かりに、その日の宿を決めることに、さほど不便さを感じることもありませんでした。

自分の目で見て気に入ったら泊まる、気に入らなかったら他を探す―――
今では当たり前のようにネット上の口コミの評価でホテルを選んでいますが、当時はそれが普通でした。

その日、セビーリャから向かったのは、アルコス・デ・ラ・フロンテーラArcos de la Frontera。丘の上に白壁の家が密集して並ぶ、アンダルシアを代表する風景が見られる町です。町の中心となる広場に、スペインの国営ホテルであるパラドールがあるとの情報を聞いていたので、地図を頼りに狭い路地を抜けて広場に向かいました。

こんな路地を車で抜けていく

こんな路地を車で抜けていく

 

パラドールにチェックイン

そのホテルParador de Arcos de la Fronteraは、広場に面した白壁のシンプルな建物で、町全体が歴史遺産に登録されている町にあって、特に目立つこともなく、一見してホテルであることもわからない地味な建物でした。

建物に入り、小さなフロントに向かいます。
「今夜、部屋はありますか?」
初老に差し掛かった小柄なフロントマンに英語で話しかけました。

彼は目の前の分厚いノートを開き、しばらく無言でページをめくった後
「はい、ございます。何泊ですか?」と表情を変えずに答えました。
「今夜一泊だけです。部屋を見せてもらえますか?」と言うと

引き出しから大きな鍵の束を取り出しながら、「こちらへどうぞ」と奥の廊下に案内してくれました。

ひんやりとした廊下を通って案内された部屋は、白壁とタイルの床に、こげ茶色の家具と調度品が置かれ、素朴ながらヨーロッパらしい落ち着いた雰囲気でした。
値段も思ったほど高くなかったので、泊まることを告げて荷物を運びこみました。

ホテルのある広場には古い城塞がある

ホテルのある広場には古い城塞がある

部屋を決めるとき、その日、天気が良かったのに部屋が少々薄暗かったのが気になったのですが、「まあ一泊だけだからいいか」、と思って妥協しましたが、実際部屋に入って窓の外を見ると、見えるのは隣の建物だけでした。

どうしてもその薄暗さが気になったので、フロントに行って「もっと明るい部屋はありませんか?」と聞いてみました。
フロントマン氏「ありますよ、少々料金は高くなりますが。」
この時、ホテルがどんな場所に建っているのかを知りませんでした。

次に案内された部屋は、内装は前の部屋とほとんど同じですが、閉められたカーテンの隙間から光が溢れ、部屋全体を明るくしていました。

 

窓の外に広がる絶景

窓に近づきカーテンを開けてみました。そして目の前に広がる風景に、文字通り息を呑みました。
そこには地平線まで連なるアンダルシアの大地が広がっていました。
広大な平野の多くは畑で、そこに小さな森と家が点在し、午後の太陽を受けて全体に霞がかかったように輝いていたのです。

実はホテルが建っていたのはこんがところ

実はホテルが建っていたのはこんがところ

実はこのホテルは崖の上に建っていて、南側に面した部屋からは何に遮られることなくアンダルシアの大地が眺められるのです。

インスタグラムもグーグルアースもない時代、行く先々の景色をあらかじめチェックしておくことはできませんでした。だからこそ、こんな驚きに満ちた素晴らしい風景との出合いもあったのかもしれません。

あの時にカーテンを開けた瞬間を、今でも鮮明に思い出すことができます。きっと一生忘れることはないでしょう。

ホテルの窓の外にはこんな風景が広がっていた

ホテルの窓の外にはこんな風景が広がっていた

 

[ DATA ]

パラドール・アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
Parador Arcos de la Frontera
住所:Plaza del Cabildo, s/n
   11630 Arcos de la Frontera Cádiz
電話:+34-956700500
URL( www.parador.es/es/paradores/parador-de-arcos-de-la-frontera )
客室数:45

一生モノ 編集部

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